整える

すべてにおいて「整える」ことが大切です

このことにいつ頃気づいたのか忘れましたが、とにかく若い頃の私は「だらしない」人間でした。靴の脱ぎ方から始まって、服は脱ぎっぱなし、部屋は汚い、ですから掃除の仕方など知りません! いやー思い出すと赤面の至りです。それが社会人となり必要に駆られて少しずつ直ってきました。そして経営者になってからさらにいろいろな勉強をしているうちに、きれいにすることがいかに大切なことかを本の中からいただきました。また経営の先輩方の話や行動を見ては、きれいにすることの重要性を教わったのです。そして長い年月を経て「整える」ことが最も大切なことの一つだと確信しました。

では実際に何を整えるのか?それがすべてです。

例えば、私は30~40歳代の時ですが、酒、たばこ、パチンコ、さらにギャンブルなど一切しませんので、1カ月に使うお金は2,000~3,000円ほどでした(ほとんどが本代)。ですからお財布は古びたどうでもいい財布で中身は3,000円ほどです。これでは所得は増えないのです。なぜなら整っていないからです。また財布は記憶するといわれることがあります(財布だけではありません。)ということは5万円入れると財布はそれを記憶して、例えば2万円使うとそれを補おうとする力(波動)が発生し何らかの形で収入として入ってきます。

ということで長い間私の財布の中身はその記憶から3,000円以内でした。またお財布の中をいつもきれいにし、お札はきちんと裏表上下をそろえ、レシートなどいらないものは捨て「整える」と、タイムラグはありますが、「あら不思議!」収入が増えてきます。

私はこの「整える」の原理原則を知ってから、これまで起こした事業で常にスタッフに言い続けていることは、「すべてを美しくしてください」です。今では宿が主ですから、駐車場から始まって客室、敷地内のいたるところをきれいにしてもらっています。そのことで、宿泊という事業において「整い」が生じます。そしてこの「整い」ができると自然とお客様を呼び寄せる力ができるのです。

これは広告宣伝や販売促進などの効果よりも絶大です。しかしこれはこの理屈や実体験がなければ信じられないかもしれません。私はこれまで8つの事業を立ち上げてきましたが、どれもさほど広告宣伝を出すことはしませんでした。しかし一生懸命にやったことはこの「整える」ことです。そしてどの事業も立派に成功してきました。

また、このように整えることはいろいろな場面で行うことです。整える中で一番大事なことは「心」を整えることだと思います。心を整えるとは、静けさ(あるいは余裕)です。人は知らず知らずに焦りの気持ち、怒り、妬み、不安、言い訳などが湧き上がってきています。このような気持ちが時折言葉として出てしまいます。

そうするとこれが運を遠ざけ、負を呼び寄せてしまいます。そして人生も事業も真っ逆さまに落ちます。そうならないように「心」を整えるのです。それは静かな時間です。

この静けさの中で、人によってはメッセージをもらう人もいれば、何かしらの気づきを得る人もいます。そして生を受けたことだけでも「ありがたい」、今日仕事があるだけで「ありがたい」、食事ができるだけで「ありがたい」、働く仲間がいて「ありがたい」、等々感謝の心が芽生え、老子のいう「足るを知る」ことになれば「運」を呼ぶようです。

by ご隠居サロン「富士の風」から

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