
今、自民党内で総裁選が始まっているが、それは過去へ行くのか未来へ行くのかの岐路に立っている。
人の欲とお金は魔物だと常々思っているが、まさに絵にかいたような状況にある。実は経営もそうなのだ。
経営者が自分の欲を強めた時には、大体が大失敗する。
経営は常に道理に合った大義名分が必要だ。ここでいう道理とは、人が喜ぶこと、社会が喜ぶことをやることだ。
私は富士山のふもとに住んでいるが、以前、富士山を世界自然遺産にしようと始めた時、ほとんどの国民が素晴らしいと思い、その活動を応援したと思う。
しかし、今度は富士山の環境を考えて富士山鉄道を作ろうと始めた時、そこに利権が見え隠れしてうまく進まない。これがいい例だと思う。
また、お金は人の人格も性格も変えてしまう力がある。人はお金において、少しでも自分が得をしたい、損をしたくないという気持ちが生まれる。
そしてこの気持ちが経営を危うくしてしまう。
京セラの故・稲盛氏は、利他を強調していました。
「利他」とは、自分以外の他者の幸せを願い、他者のために尽くす心のことです。
仏教の言葉でもあり、自分だけの利益(自利)だけでなく、他人にも良いことをするという考え方です。
また稲盛氏は、「利他の心」は経営において不可欠な要素だと説いています。
短期的な成功は利己心だけでも得られるかもしれませんが、長続きさせるためには「利他」の精神がなければうまくいかないとされています。
今の私は、人が喜ぶことを追求すれば、実は自分が一番幸せになれると確信しています。
by ご隠居サロン「富士の風」から