恩送り(おんおくり)

日本には「恩送り」という言葉があります。

これは、恩を与えてくれた人には、その恩を返せないということです。なぜなら、恩を与えてくれた人は、すべてにおいて自分より多くを持っているからです。

そこで重要なことは、恩は返せないが、その分自分の周りの人や後輩たちに分け与えることが大切だということです。

私は27歳で起業してから、多くの人と出会いました。そのほとんどが年上の方ばかりです。そして、ちょくちょく食事にも誘われますが、一度も勘定を支払ったことがありません。東京でご馳走になれば、それなりの料金のはずですが、いつも「ご馳走様でした」で済んでいました。

それが50歳代になると、「ご馳走さまでした」と「ご馳走します」が逆転し始め、今ではほとんどが「ご馳走します」になっています。これが「恩送り」の一つだと思います。

恩送りの生き方としては、50歳を過ぎたら我欲を少しずつ減らすことが肝要です。そして、若い人たちに良い影響を与える、チャンスを与える、ご馳走するなどして、若い時にいただいた「恩」を、今度は今の若い人たちにどんどん送ることを使命とすると、自分がどんどん幸せになっていることに気づかされます。

特に、お金は人様に使うことが、実は自分への幸せにつながっているようです。

byご隠居サロン「富士の風」から

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